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日本の行く道 (集英社新書 423C) (集英社新書 423C)

日本の行く道 (集英社新書 423C) (集英社新書 423C)
橋本 治
日本の行く道 (集英社新書 423C) (集英社新書 423C)
定価: ¥ 777
販売価格: ¥ 777
人気ランキング: 438位
おすすめ度:
発売日: 2007-12-14
発売元: 集英社
発送可能時期: 通常24時間以内に発送
日本の行く道 (集英社新書 423C) (集英社新書 423C)の詳細を見る

たまには実家に帰って両親に顔を見せてやろうかと思う。しかし、田舎というのは超退屈なのだ。本の2~3冊は持ってかないと間が持たない。今回の帰省では「日本の行く道 (集英社新書 423C) (集英社新書 423C)」を旅の友とすることにした。

JR上野駅から宇都宮線に乗る。幸い、上野発の列車なので席は座り放題だ。さっそく「日本の行く道 (集英社新書 423C) (集英社新書 423C)」を取り出し、本の中に没入するが、馬鹿な子供が私の周囲で嬌声をあげている。いや、嬌声などという生やさしいものではない。

ここは動物園か?と言いたくなるほどの野放しぶりだ。親が見ていない隙に「日本の行く道 (集英社新書 423C) (集英社新書 423C)」の表紙の角で奴らの眉間を思いっきりヒットしてやった。

今に生きる日本人の必読書
できるだけ多くの日本人に読んでもらいたい。競争での「勝ち」、経営での「利益」、生活での「便利」をこの40年余りで追求し過ぎたためのツケが、国内農業の崩壊や地域格差などの形で回ってきている。そのツケを払うためにどうすればいいかを、大胆ではあるが実現可能な案を著者は提示してくれている。柳田邦男氏の「壊れる日本人」と併せて読んでもらいたい。

橋本治も還暦。末期の眼、っていうステージかも知れない
 最近の橋本治を読むと、ああ、もうこの人は「真理」に到達しちゃってるんだナー、と思う。『小林秀雄の恵み』に描かれた本居宣長よろしく、「知っている」という立場から切っていく。だから本文260頁程度の本で、第3章「いきなりの結論」が100頁以上。もう結論しかない、みたいな…だからp243の「二択」が二択になってなくても、p250の浸透圧の比喩が不適切でも、そんな重箱の隅を突くような揚げ足取りはよせヨ、でしょうね。校正係も鷹揚になってます。
 もちろん、ハシモト節は健在。「いじめ」は変質したのか否かという問いから「子供の自殺」に注目し、そこから「子供が頭の中だけ大人になってる」と論を進める手際は見事。日本における終身雇用の崩壊は、会社に余裕がなくなったからじゃなく、好景気の頃に転職が自由に起こるようになったことに端を発するという指摘にも虚を衝かれました(p235)。で、これは家の崩壊の問題でもある、と。
 それにしても、育った環境が橋本さんの考え方に色濃く反映してるなと感じます。家システムが社会を構成する人間集団の最小単位で、その中に家族がある。愛情なんて、ついてくるなら後からついてくるって(p231?)、これは高度成長前の自営業者の息子の実感じゃないでしょうか。「好景気が循環すれば全て良くなる」という理論を「豊かさはホントに循環すんのかよ」と批判するところは(p257)、もしかして山形浩生(さらば橋本治宣言をした)を意識してるかも。
 著者の「もういいじゃないか」(p224)っていう呟きに、胸が熱くなった。

現代日本の危うさへの処方箋
集英社新書から出された橋本治氏の本の4冊目。

まず子供の問題;いじめ、いじめっ子、自殺、自立の錯覚、子供の面倒を見ない大人及び社会、から始め、大人の問題へとつなげていく。

地球温暖化をこれ以上進行させないためには、それが発生する前の状態に社会を戻せばいい、極端にいえば産業革命前に、という発想。日本でいえば江戸時代だけどいくらなんでもちょんまげを結うのには抵抗ある、というのなら1960年代前半に戻せばいいという。極端なものをもってきておいて、妥協としての1960年代前半。それでもここに書かれていることを実践しようとする人や企業や政治家はいないだろうけど、私は大まじめにここに書かれていることを実践したら日本も地球もよくなると思う。

思えば橋本さんがここまで具体的な処方箋を提示するのは初めてじゃないか?それだけ橋本さんの、現代日本に対して感じる危機感が昂進しているのじゃないかと思われる。いつも最後の方で読者を放り出すような終わり方をするのが最近のこの著者の「ビジネス書」の常だが、この本では直接的な言葉ではないが、「いい加減にみんなまともに考えないと、自分自身の首を絞めることになるんだよ。だから目覚めなさい」と言っているように思え、益々橋本さんの危機感を感じる。何かをしたいと思う。

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