吉川 徹

定価: ¥ 2,100
販売価格:
人気ランキング: 122515位
おすすめ度:

発売日: 2001-08
発売元: 世界思想社
発送可能時期:
たまには実家に帰って両親に顔を見せてやろうかと思う。しかし、田舎というのは超退屈なのだ。本の2~3冊は持ってかないと間が持たない。今回の帰省では「学歴社会のローカル・トラック―地方からの大学進学 (SEKAISHISO SEMINAR)」を旅の友とすることにした。
JR上野駅から宇都宮線に乗る。幸い、上野発の列車なので席は座り放題だ。さっそく「学歴社会のローカル・トラック―地方からの大学進学 (SEKAISHISO SEMINAR)」を取り出し、本の中に没入するが、馬鹿な子供が私の周囲で嬌声をあげている。いや、嬌声などという生やさしいものではない。
ここは動物園か?と言いたくなるほどの野放しぶりだ。親が見ていない隙に「学歴社会のローカル・トラック―地方からの大学進学 (SEKAISHISO SEMINAR)」の表紙の角で奴らの眉間を思いっきりヒットしてやった。
地方の青年群像
地方に住む「普通の」青年群像を描いた点で、日頃無視されがちな「都市でない」日本の状況を伝える貴重な仕事。そこで出てくる何人かの青年の高校卒業後の軌跡は、それなりに波瀾万丈に富んでいて、それなりに面白い。が、そこから著者が社会を広く見渡すような視座を持って議論しているわけではないので、「当たり前のことを当たり前に議論する」本でしかないのも事実だろう。しかし、地方の現実をある角度から切り取っていることは間違いなく、都市に住んでいる人にはお勧めの本。
いきいきとした姿が伝わる好著
山陰の一地方の学校を卒業した生徒の進路を追いながら学歴社会の構造に迫る好著。実在する若者を追いかけているだけに説得力、新鮮味がある。気鋭の社会学者によって書かれただけに平易な文章のなかにも鋭い分析がなされている。とりわけ社会学に関心をもつ若者や学歴社会について問題意識をもつ人に一読を勧める。
