杉山 登志郎

定価: ¥ 1,995
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発売日: 2000-04
発売元: 日本評論社
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水を飲むのが好きだ。
年々、一日あたりに水を飲む量が増えている。
杉山 登志郎の「発達障害の豊かな世界」が好きだ。眠い目をこすりつつ明け方近くまで読んで、今日は思いッきり遅刻した。だが、水と「発達障害の豊かな世界」は止められない。
遅刻したのに性懲りもなく、上司が見ていない隙を突いて水を飲み、「発達障害の豊かな世界」のページをめくる。
きのこの山とタケノコの里も好きだ。どちらかというとタケノコの里の方が若干、好き度は上だ。
今日は家に帰ったら、思う存分、タケノコの里を食べ、「発達障害の豊かな世界」を読みながら、水をガブ飲みしてやろうと思う。
はやく仕事終わらないかな~~・・・。
自閉症のてる君は、中学を卒業後、理解ある会社に就職したが、その前後から色鉛筆で絵を描き始めた。絵は、彼の幼稚園時代の1日を描いた経時的なものであることが次第に明らかになってきた。結局、てる君は10年もの歳月をかけ、千数百枚に及ぶ連続画を描き続けた。本書は、こんなちょっとミステリアスな導入で始まる。てる君が描いた連続画からは、自閉症の豊かな内的世界を垣間見ることができるという。 自閉症をはじめとする発達障害は、専門とする児童精神科医が少ないため、今日最も需給バランスの悪い臨床領域となっている。その原因は発達障害の「とっつきの悪さ」にあるのではないかと著者はみる。だが、一度この世界に踏み込んでみると、想像以上に豊かな臨床が展開されていることが理解できるという。そのことを知ってもらいたいという願いから本書は生まれた。 本書では、著者のライフワークともいえる発達障害に関するさまざまな臨床研究が紹介されている。自閉症をはじめ、アスペルガー症候群、ダウン症候群、ADHD、トゥーレット症候群などについて、臨床例に基づき障害の特徴や治療、対応などについて解説している。自閉症と仕事に関しては、職種によってはかなりの成果が期待でき、むしろ高機能自閉症者のほうが就職に困難な問題を抱えているという。堅苦しい専門書ではないので、発達障害の子を持つ親や教育関係者はもとより、発達障害への理解を深めていく上で広く手に取ってもらいたい1冊といえる。(清水英孝)
発達障がい児に関わる全ての人へ
自閉症の心の世界を、自閉症者の手記とはまた違う視点から分かりやすく伝えてくれる本。いわゆる専門書のように難解な言葉は使われていないので読みやすく、かつタイムスリップなどの大切な事象についても触れられています(自閉症の全ての特徴について述べられているわけではありませんが)。発達障がい児の保護者や、保育士、先生などの支援者が最初に読む1冊として特にお勧めします。著者の、自閉症児への暖かいまなざしが伝わってきて、読んだあとに心が温かくなる本です。
発達障害の世界が広がっている
他のレビュアーが書いているので重複せず、しかも重要であると思われる箇所を紹介する。
P217
おそらく80年代の後半になってからではないかと思う。障害児を中心とする臨床を行っていて、障害児全般、とりわけ自閉症が軽症化したと感じるようになった。・・・しかし、このような変化が療育の成果であるのか否かについては慎重な検討が必要である。・・・とくに一部のプログラムは、子どもの発達という非常に複雑な過程を、比較的単純化した仮説によって説明し、その仮説に基づいて訓練を実施するところに問題がある。運動機能障害に比し、心理的な発達は、はるかに複雑かつ複合的である。
私も自閉症児に関わって20年以上経過するが、初めて面接した時の自閉症児とは、印象が異なるとのイメージを抱くようになっている。これは早期診断、早期療育に由来するものか、当時CARSがあれば、もう少し確信を持って言えるのだが、いずれにしても本書は中級レベルの書物としてお薦めする。
自閉症児の内面理解に
以前「心の科学」という雑誌に連載されていました。特に関心をひくのは,他の方も紹介されていましたが,タイムスリップによる連続画の話です。今の生活に辛いことがあったとき,重度の知的障害があるが,絵の描けるてる君は自分が楽しかった(?)時の話を連続した絵に描いてがんばった…という話です。絵の内容から自閉症の人の持つファンタジックな世界観やその特異な記憶のありかたなどうかがい知ることができます。それ以外にも「アスペの会」など保護者の会にも積極的に関わってこられた著者の体験に基づくエピソードは一読の価値があると思います。
