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論文捏造 (中公新書ラクレ)

論文捏造 (中公新書ラクレ)
村松 秀
論文捏造 (中公新書ラクレ)
定価: ¥ 903
販売価格: ¥ 903
人気ランキング: 103138位
おすすめ度:
発売日: 2006-09
発売元: 中央公論新社
発送可能時期: 通常24時間以内に発送
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最近、風呂場ん中で読書をするというのにハマっている。
湿気で本がフニャフニャになるのだが、ま、あまり気にしないことにしている。

昨日から「論文捏造 (中公新書ラクレ)」を読み始めた。正直、私は後悔している。
こんな良い本を風呂場とかで読むのは罰当たりだという気がしている。

論文捏造 (中公新書ラクレ)の中にでてくる、ある言葉は私を幼少の時分へとタイムトリップさせてくれる。

誰の心の中にもある風景。「論文捏造 (中公新書ラクレ)」の中にはそれがあるような気がする。とりあえず表紙がフニャフニャになってしまったので、もう一冊買うかも知れない。

論文捏造だけに収まらない話
超伝導で輝かしい成果を挙げた数々の論文が,実は捏造されたものだった。この論捏造事件について,綿密な取材を行い,まとめてある。
当事者のシェーンが研究所内で何をしていたのか,周辺の研究者もよく分かっていなかった。しかも,周囲は素晴らしい研究成果であると言って,シェーンを持ち上げ続けた。この論文捏造事件において,当事者周辺に欠けていたものは,チェック体制と周辺とのコミュニケーションであったと思う。これらは広く見れば,私たちの生活においても欠かせないことである。論文捏造事件について書かれた本ではあるが,私たちの生活に対する警鐘のようにも思える。
もうひとつ意外だったのは,高名な科学雑誌の原稿の査読体制が不十分であったということである。論文の内容よりも,話題性が重視される編集方針だったという。研究データの捏造自体,決して少なくないということも書かれており,科学の信頼回復は遠い道のりだと思われる。


ジャーナリズムの模範
各国各所で研究プロセスや論文の捏造やデータクッキングの類が科学への素朴な信頼を揺るがせている現在、本書で扱っているシェーン事件は大きな波紋を投げかけている。
若造の助手の捏造をベル研究所の権威あるベテラン学者たちが見抜けなかったこと。科学者同士の暗黙の了解や信頼のナイーヴさ。一流科学雑誌のピアレビューが機能不全に陥っていること。
NHKがバックについているとはいえ、著者チームの綿密で執念深い取材力には頭が下がる。
エピローグで著者は、わからなさの時代ということを唱えている。先端科学だけでなく、科学の恩恵を享受している現代社会そのものが、わからなさの真っ只中にある。それを少しでも解きほぐすために、真面目なジャーナリズムの苦労が求められている。
なお、講談社ブルーバックスの『背信の科学者たち』の併読も是非お薦めしたい。



権威主義と自己浄化能力
本書は、著者がNHKのディレクターとして放送した「史上空前の論文捏造」を本として纏めたもの。大雑把に言うと、シェーンという若き物理学者が超伝導の分野で次々と画期的論文を書き、ノーベル賞候補にも挙げられる程だったが、実は捏造論文だった事が分かる顛末を述べたもの。放送部分だけでも興味ある内容だが、本書で加えられた最終章とエピローグが事態のツボを突いていると思う。

シェーンの論文が無条件に認められたのは、この道の権威バトログが共同研究者として後ろ盾に付いていたからである。この権威が他者の批判を封じていた。また、この事から分かる通りシェーンは単独で研究していた訳ではないのに、研究グループ内で自浄作用が働かない。また、シェーンが所属していたベル研(当時)内でもチェック機能が働かない。翻って、日本の「医療」、「食品」問題を考えると、ミドリ十字問題、食肉業者問題、つい最近の「白い恋人」問題。権威主義が蔓延る組織と自己浄化作用が働かない組織は必ず問題を起こす。

本書は科学上の問題を扱いながら、「権威主義と自己浄化能力」という普遍的な問題を喚起し、更には不測の事態が起こった時の組織の対処法をも考えさせる良書。

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